おはようございます。
今日も暑いですねぇ。


実はこの間申し込んでいた社会福祉士の成年後見の研修の受講決定書が届きました。

秋から始まるこの研修と、年明けから始まる名簿登録の研修が終われば建前上はいよいよ受任できることになります。
司法書士は受かるつもりでやりますが、まあ、なんだ。。人生に保険は必要ですから(;・ω・)


それにね、一応フォローしておくとそれだけじゃないんですよ(^^;
司法書士と社会福祉士は、成年後見に関するスタンスにかなりの開きがあるんです(私は司法書士ではないからそっちサイドに関しては想像ですが)。

司法書士の方は今勉強してる民法にしても、今度の改正で意思表示の受領能力がない人として、これまでの未成年者と成年被後見人に加えて意思無能力者が追加されました。

つまりこの三者に契約の申し込みなどをしても、そもそもその意思表示を受けとる力がないからいくらうんと言わせても無効ですよって規定なんですが、これまできっちりと「未成年者」「被後見人」と決められていたところに意思無能力者を入れることで、これまで判例なんかで扱ってた後見開始の審判を受けていなくても意思無能力状態であることを証明すれば不当な契約もなかったことにできますよ。と言うことが明文化されたってことじゃないかなと思ってます(違うかもしれないけど)。

で、司法書士としてはきっと、ふんふん。ではより弱者の保護が図られるようになりましたね。もし自分が後見している人が何か不利益な契約を結ばされたらこの規定によって取り消してくれよう。そしてこれは後見の審判を受けてなくても取り消しやすくなったんだから、そういうので困ってる人への相談もやりやすくなったね。
って思考だと思うんです。

それはそれで結構なことです。大事なことです。
でもやっぱり社会福祉士…福祉職の思考とはかなり離れたもんなんですよね。



例えば、この間認定調査に行った利用者さん。
要支援2の独り暮らしのおじいちゃんだったんですが、日程調整の電話の時点で衝撃の告白が。

おじ「今ね~、クーラー壊れちゃってて家が暑いんだ。だから今は(認定調査)無理だわ。」

暑い家に他人様を上げるのは悪いから無理だという意味でしょう。
しかしね、じいちゃん。そんなことより自分の身の安全を考えなきゃいかんよ。連日35℃まで上がって、クーラーのないマンションなんてサウナだよ。人間の住める環境じゃないよ?
そしてね、暑いから無理だって、じゃあ秋まで認定調査引っ張るつもりかい?
保険証切れちゃうよ?

この時点でこの人が正常な判断能力を持っているかということについて、もっさんとしては相当な疑いがかかります。

も「壊れちゃったって…修理の手配はしましたか?」

じい「いや、修理は…だめだよ。」

も「だめって、、お盆休みで業者さんが来られないってことですか?」

じい「いや、業者はやってるだろうけど…とにかく家は暑いから無理なんだよ。」

も「いや でも…体調は大丈夫ですか?」

じい「大丈夫大丈夫。扇風機回してるから。」



じいよ。それは熱風機だよ。


この時点でもっさんの思うことは、ははーん、業者とのやり取りが理解できないかどこに連絡していいか分からないかお金がないかだな。
しかし要支援で独居。介護保険証更新の申請書は本人が書いたようには見えないけど提出代行の包括支援センターの記載もない。
つまり、多分介護サービスは使ってなくて包括担当もついてないけど、病院のソーシャルワーカーさんかなんかの支援を受けて自力で申請したんだ。

でもこの状況。ほっとくと死人が出てもおかしくない。
要支援っていうのが痛いです。要介護だったら大抵ケアマネさんがついてるから、そこを機転に家族やら支援者側主導で命に関わる環境は多少強引にでも改善に持っていけます。
これが要支援だと、ご本人が自分の判断力の低下を認めきれてないことが多くて周りも深く踏み込める関係を築けてないことが多いし、この段階で強引なことすると後の関係に響くんですよね(--;)



しかし相手は要支援。しかも一筋縄ではいかなそうなじい。
初対面の認定調査員の言うことなんて聞きゃしません。
聞いたとしても認定調査のもっさんに調査以外の具体的な支援はできないし。


若干迷いましたが担当区域の地域包括に電話しました。

やっぱり担当はついてなかったけど、介護保険証持ってるだけあってマークはされてました。
まぁ、ただ担当はついてない=こんな電話は仕事が増えるだけ=報告が歓迎されるかはそこの包括の受け取り方次第。
仕事増やしやがってめんどくせーなと思われるか、じいの熱中症を防ぐ可能性が上がってよかったと取ってもらえるか。

電話する方も、どう思われるかな~
なんだこいつ差し出がましいやつだと思われるかな~…と、結構気を揉みます。
ケアマネさんだったら仲間って意識があるけど、包括は「お上」って感じだからな~



と、脱線しまくった(゜ロ゜)
えーと、何が言いたかったんだっけ。
そうそう。社会福祉士の視点でしたね。

まず、地域包括支援センターというところは、地域の高齢者の総合相談窓口です。
介護保険証使うか使わないかの頃合いから、独り暮らしだったりする高齢者をマークして支援。要支援がつけばケアプランの立案もして要支援の間はケアマネさん的に関わります(要支援のうちにケアマネさんに振ることもあります)。

要介護になったら地域包括の手は離れ、ケアマネさんにバトンタッチです。が、虐待などの困難ケースには要介護の人にも関わります。
つまり地域の最小単位の高齢者支援の元締めです。

そんな地域包括には基本的に三職種、つまり主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師が常駐しています。介護、総合相談(生活困窮だの成年後見だのの権利擁護)、医療の専門家が所属して、高齢者やケアマネジャーを総合的に支援する…ことになってます。

……なってます。

そんな社会福祉士だから、こっちはどこまで行っても現場の真隣といいますか…現場感がすごい。


上記のじいの話し、私が包括にいきなり電話して伝えたことは①もっさんが認定調査員であること②じいの名前③なんかクーラーが壊れて扇風機しかないから認定調査をマンションのロビーでやってくれと言われたこと

のみです。
これだけで相手の包括職員(社会福祉士だったかは不明ですが。)にはもっさんの言いたいことの大半は伝わったと思われます。何らかの動きをするようです。

エアコンの修理は立派な契約行為です。
まあ、あのじいが後見類型に当てはまるかは置いといて、成年後見人でもないケアマネや包括職員が変わりにやっていいことではありません。
でもね。ぐずぐずしてたらほんとに救急車ですよ。

もし成年後見人がその包括にいたような社会福祉士であれば、ケアマネの伝えたいことはほぼほぼ正確に伝わり、ご本人に対する対応なども相談できるでしょう。
こと高齢者に関しては、言葉が通じるというと語弊がありますがケアマネが連携する上でのハードルの低さ、連携のしやすさは群を抜いているでしょう。
デメリットとしては馴れ合いから来るグレーゾーンの押し付けあいが想定されます。
が、一緒に支援していくという連帯感は捨てがたい。

対して、ケアマネからみた司法書士の後見人ってまさしく「先生」。
立てなきゃいけない存在で遠慮しまくり、距離ありまくり。
エアコンの話でケアマネと司法書士の後見人がついていた場合で想定すると、固い先生だとまず事情を細かく報告し、高齢者にとってのエアコンの必要性を説き、なんならエアコンがない生活を想像させ、なぜ本人がいいと言っている(暑いと思ってない?)のにその意思を尊重せずにエアコンを修理した方がいいのかを説きます。

納得してもらえたとして、ヘタな先生だと業者の選定だとか実際のご本人の説得だとかをケアマネに被せられかねない。「いや、ケアマネがどうしても必要だって言うからね。」なんてご本人に言いかねない。納得したなら「ぼくもそう思う」くらい言ってくれないと。
私の知り合いのケアマネさんなんて、葬儀会社の選別までやらされたと言ってました。

あれ、なんか毒吐き大会になってしまった(-""-;)
気を悪くされた方がいたらすみません。全て一例と想像の戯言です。

でもね、司法書士だとやっぱり何かあったときは強いですよ。
業者にも舐められないし、なにより遺言や相続まで、その人の人生のほんとに最後の締めくくりまで付き添えるってのがいい。
社会福祉士でもやり方次第で不可能ではないのかもしれないけど、やっぱりきちんとやるには司法書士がいいんじゃないかなぁ。
特に家族や親戚が本人の相続で揉めてるときなんて、本人第一の意思を貫けるのは後見人。その後見人が法律のこと分かりませんじゃ話しにならない。
以前、社会福祉士向けの後見研修に司法書士が来て話してたけど、司法書士が当然通じると思ってる、当たり前の前提知識の法律の話しに対して、8割方の社会福祉士が鳩が豆鉄砲食らったような顔になってて会場に微妙な空気が満ち満ちていました。つまり文字通り言葉が通じてなかった。外国語講座に放り込まれた哀れな大人たちの図。質問ありますかってそりゃ手も上がらないわ。

法律に無知な社会福祉士と、空気に気づかずしゃべりまくる司法書士。
あれは現場の縮図だね。
わかり会える日はくるのかしら。

とにかく、もっさんは両方の視点を持つことを希望。中途半端となるかバランス感覚があると思ってもらえるか。
まぁ、もっさんのことだから多分前者だが。






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